
目的・活動内容
設立の背景と目的
静岡県は「ものづくり県」であり、温室効果ガス排出量に占める産業部門の割合が全国平均よりも高いという特徴があります。その排出量の多くを占めるのが県内の中小企業であり、その大部分が脱炭素経営に未着手の状況です。この領域の取り組みを促進することが、県全体の脱炭素化において極めて重要です。
この課題に対処するため、2024年5月31日、県および県内全13の金融機関、経済団体、大学などが連携する官民連携組織として「しずおかカーボンニュートラル金融コンソーシアム」は設立されました。本コンソーシアムは、単なる啓発活動にとどまらず、具体的な共同事業を通じて中小企業の脱炭素化を直接支援することを目的としています。
コンソーシアムの主な特徴
- 県内全ての地方銀行・信用金庫が、脱炭素を切り口に団結した本県独自の取り組みです。
- 情報共有だけでなく、具体的な共同事業を実施する「実践的な組織」です。
- 会員は「会の趣旨に賛同する」というだけでなく、具体的な役割を担うことを前提としています。
- 中小企業の経営に直接働きかけることをミッションとし、単なる入門セミナー等は実施しません。
- 金融機関同士が切磋琢磨することで、地域全体の脱炭素化を加速させることを目指します。
主な活動内容
本コンソーシアムでは、明確な業績目標(KPI)のもと、会員が一体となり以下の事業を幅広く展開しています。
人材育成
- 行員等のスキル向上のため、レベルに応じた資格取得講座(脱炭素アドバイザー等)や研修を実施します。
- 事例発表や会員同士の交流会を通じて、現場の知見を共有します。
支援機能の強化
- 金融系シンクタンクや大学と連携し、脱炭素経営の課題解決に向けた効果的な手法の調査・研究を行います。
具体的なモデル事業
- サプライチェーン全体での脱炭素化を支援するため、大手企業と連携したモデル事業を推進します。
- 地域におけるカーボンフットプリント(CFP)算定・表示を支援し、人材育成や体制構築を目指すモデル事業に参加します。